いつか王子様が ⁈
「叶えないことを ひとつだけ持っておきましょう」
そう言って、私は柔らかく拒んだ。
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だって、だってよ。
昔は学校中の女の子がみんな知っているほどの王子様だったのよ。
いざその瞬間、私の脳内では勝手に当時の彼に変換されちゃって。
無理無理、服なんて脱げない。
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程なくして、自らのその言葉を破ることになってしまうとは。
休み時間の彼の周りには元気な女の子たちががっちりガードしていたし、私はといえば、みんなの憧れはみんなにお任せすればいいわ って彼にはあえて興味を持たなかった。
あの頃の私にこっそり耳打ちしてあげたら、どんな顔をするのかしらね。
ふふ。